個人再生における清算価値保証原則とは?
個人再生には「清算価値保証原則」といったものがあります。ネーミングからしても、何を言っているのかわからない、という方が多いのではないでしょうか?
実は清算価値保証原則は個人再生の返済額に大きく関わってくる、非常に重要なものなのです。個人再生の基礎知識として、どういったものなのか?ということだけでもしっかりと理解しておく必要があります。
今回は、個人再生と清算価値保証原則の関係をお話します。どのように返済額に関わってくるのでしょうか?
■清算価値保証原則とは?
・破産時の配当額を上回る返済額でなければならない、とするもの
個人再生は借金を返済します。自己破産は、一応は借金の返済義務がなくなりますが、実際には貸金業者は一部回収しているのです。
例えば、不動産を持っていれば不動産を競売にかける、といったことでその落札額が各業者に配当されるわけです。他にも一部の財産などの処分も行うことになりますし、一定以上の現金があった場合には、それも配当に回されることになるのです。
要は、自己破産をした時に各貸金業者に配当される金額よりも、個人再生を行った時の返済額は高くなければならない、といった決まりになっています。
例えば、ある業者に対する自己破産時の配当額が30万円なのに、個人再生にすると20万円になってしまう、といったことは認められないわけです。
上記のケースであれば、個人再生時は必ず30万円超の返済を行わなければなりません。
・業者が認めないわけではない
清算価値保証原則による個人再生時の返済金の決定ですが、何も各業者が関わっているわけではありません。そもそも、裁判所が認可を出さない、といった特徴を持っているのです。
個人再生は裁判所に認可されなければ始まりません。清算価値保証原則の存在をしっかりと意識したうえで、個人再生時の返済金を決定していくことが重要なのです。
■清算価値保証原則にかかわる財産とは?
・土地や建物などの不動産
・自動車
・現金
・預金
・保険解約返戻金など
自己破産をおこなう時には、各貸金業者は様々なものを現金化して配当を受けることになります。
特に注目なのが、保険解約返戻金です。生命保険などを積み立てている方はいま解約すればいくらかが戻ってくる、といった状態になります。そのお金も自己破産時には配当されることになるので、個人再生時にも大きく関わってくる、ということは理解しておく必要があります。